1977 Alvarez by K.Yairi DY96 Serial No.18539 Build No.51100821

Top : Solid Spruce
Fingerboard : Ebony
Bridge : Ebony

Back : Solid Brazilian Rosewood
Neck : Mahogany
Tuners : Grover 102G
お時間と興味がありましたら、読んでみてください。

私が、長らく探していたDY96です。2007年7月末にようやく入手出来ました。
DY96は、1970・80年代を通じてAlvarezの最高峰であり、ヤイリのレギュラー・ラインナップの中でも歴代の最高峰と言えるモデルです。何故か日本でこのモデルが発売されたという情報はありません。ヨーロッパのカタログには、このモデルは掲載されていましたので、アメリカとヨーロッパのみで発売されたものと思われます。(ヨーロッパのカタログに掲載されていたDY96のブリッジは、逆向きではなかったですが。)
使われている材は、トップがスプルース単板、サイドとバックがハカランダ単板、ネックはマホガニー、指板とブリッジはエボニーとなっています。日本発売の古いYW-2000やDY45、Alvarez YairのDY95やDY95Nと同じウッド・マテリアルです。
これらの機種とDY96は、何処が異なるかと言いますと、DY96は、別名Abalone Supremeというだけのことがあり、複雑なインレイが施され、ピックガードもハカランダが使われています。この点がDY45などと異なる点です。
フレットボードのポジションマークは四角形です。(私のDY96は、1977年製で四角形のアバロンの周りには、白いセルがありませんが、1978年製のDY96の所有者に訊ねたところ、1978年製のものには白いセルが四角形のアバロンの周りに施されているそうです。)
またブリッジの両端とヘッドストック、フレットボードのバインディングと平行して象嵌が施されています。トップのインレイは、アバロンと寄木で造られています。ピックガードの周りも寄木細工です。この寄木は、メイプルを着色したものだそうです。また、逆向きのブリッジもこのモデルの特徴となっています。

私のDY96の前所有者は、私のページでも紹介しているカリフォルニア・サンフランシスコ近くのパシフィカに住むマイケル・ホール氏です。マイケル氏とは、良くメールのやり取りや、アメリカ・ヤフーのヤイリ・フォーラムで懇意にさせてもらっていたのですが、彼は古いギブソンのフルアコやアイバニーズのジョージ・ベンソン・モデルのフルアコ、1860年代のパーラーギター、そしてこのDY96など素晴らしいギターのオーナーだったので、まさかDY96を手放すとは、私は思ってもいなかったのですが、以前から彼には冗談で「DY96を手放すときは、まず私に連絡をくれ!」って言っていました。
そのマイケル氏が、「猫の病気の高額な治療代のためと、ナンシーという女性と結婚して彼女の故郷のニュージャージーへ引っ越すため、所有しているギターや機材を売る。」という連絡が私のところへ来たのが2007年7月20日過ぎでした。

マイケル氏は、このギターを2003年にイーベイのオークションで入手して、すぐにリペアに出したら、落札金額とリペア代の合計は、軽く3,000ドルを超えてしまったそうですが、私が支払った金額は、彼がイーベイで落札した金額でした。

マイケル氏は、このギターを日本へ送るための梱包をする直前に「これが最後のDY96のプレイだ」ということで、彼が10代のころ良く聞いたというビートルズのラブ・ソングをビデオに収録して、私に送ってきました。
私はそのビデオを見て、泣けてしまいました。彼の愛するギターを泣く泣く手放す様子や悲しそうな表情がこちらまで伝わってきたのです。


私は今まで、1970年代の現存するDY96をネット上で見たのは、3台だけです。まず最初に見たのが2005年春にアメリカのバック・ダンサーズというギターショップのHPに売りに出されていたDY96。この時は、すぐにショップへメールで購入希望を伝えたのですが、結局返事は来ないうちに、DY96はHPから姿を消してしましました。その後、同じ年の6月にイーベイのオークションに1978年製のDY96が出品されていたので、 なんとか落札したかったのですが、これはオークションの終了前にセラーが早期に終了してしまい入手出来ませんでした。すぐにセラーに質問したところ、「売れた。」という返事が返ってきただけでした。ところが、このときのDY96が、再び別のセラーから2006年9月にイーベイのオークションに出品されました。「今度こそは、何がなんでも落札するぞ」と意気込んでいたのですが、 終了間際の私の不手際で入札出来ず、結局この時も落札できませんでした。因みにこの時落札した方は、日本の方です。
そして、今まで私が見たことのある3台のうちの1台が私が所有するDY96です。

このDY96というモデルは、何台製作されたかは不明ですが、2005年にイーベイのオークションに出品されていた時に、セラーがディスクリプションで「Only 10 Ever Made」(「10台しか作られなかった」という意味でしょうか)と記載していたのですが、これがひとつの伝説になっているようなところがあります。と言うのも、ヤフーのヤイリ・フォーラムなので、DY96に話題が及ぶ時に必ずと言って良いほど、「Only 10 Ever Made」ということが書かれるのです。

今年8月に初めてヤイリギターへ工場見学に伺いました。今度伺う機会があったら、このDY96の製作に関わったと思われるクラフトマンの丹羽氏に「逆向きのブリッジの意図」やら製作された台数など訊ねてみたいと思っています。

現在、ヤイリのブラジリアン・ローズウッド単板のドレッドノート・モデルを4台所有していますが、これらの中で、音はこのDY96が一番素晴らしい感じがします。


Sides : Solid Brazilian Rosewood


Pickguard : Brazilian Rosewood









1980 Alvarez Yairi Catalog



1978 Guitar Player Promotional AD




1976 Catalog



1979 Catalog



1981 Catalog



1986 Catalog

1977 VS 1978

1977 Diamond Inlay on the fretboard

1978 Diamond Inlay with White Celluloid on the fretboard
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